2023年度 理事長所信

「勇気ある一歩」

【はじめに】

我々は、多くの人に夢を与えられる魅力を持った人財で構成される団体だと信じております。なぜなら、「明るい豊かな社会」を壮大なビジョンとして共有し地域をより良くする仕組みをつくり続けることができる団体だからです。
人は誰しも未知の領域に踏み込むことには不安を抱きます。しかし、出来るか出来ないかを考えるより、まずは一歩踏み出して行動してみることが重要です。踏み出した一歩が自らの経験となり、その経験の積み重ねが糧と成り深みのある人間へと成長させてくれます。
時の流れと共に社会的課題は変遷していきます。その新たな課題に対し、時代のせいにしてただ傍観するのでは無く、人も流れと共に成長し変遷し続けるべきです。これまでの知識や経験だけを頼りに判断するだけでなく、柔軟な思考で果敢に挑んでいきましょう。
公益社団法人草加青年会議所は1968年9月15日、「市民の声なき声を聴こう」「革新の旗を高々と掲げよう」という想いのもと創立され、本年55年目の節目の年を迎えます。半世紀を超える歴史の中には先輩諸兄姉の弛まぬ努力と果敢に挑戦した結果と実績が詰まっており、それは今、社会的信頼として我々に与えられています。我々は与えられた土台を活用し、勇気ある一歩によってこの魅力ある人財輩出機関を、責任を持って後世へと繋いで参ります。


【新たな価値の創造】

~行ってみたいまち草加市に向けて~
2020年から感染が拡大し、今もなお猛威を振るう新型コロナウィルスやロシアのウクライナ侵攻等による影響で物価は高騰し、人々の生活も困窮しているように見受けられます。その結果、人々が将来に希望を見出すことが困難な状況へと移り変わってしまうことが危惧されます。このままでは、心豊かな地域の創造を達成することは不可能と言っても過言ではありません。草加市は宿場町として発展し、国の名勝指定を受けた「草加松原」松並木や草加せんべいをはじめとする市外に誇れるコンテンツに恵まれたまちにあります。しかし、草加市へ観光する人数は年々低下しており草加市の魅力を多くの方に周知するまでには至らない状況となりま
す。市外からの高評価を受けることが市民一人ひとりの意識を変え、多くの方が草加市を注目すること、行ってみたいまちになることで、草加市が更なる発展を迎えることができます。新たな草加市のコンテンツをつくるのではなく、草加市の市外へ誇れるコンテンツを柔軟に捉え、組み合わせることが新たな価値の創造となります。一例をあげるならば2020年から新型コロナウィルス感染拡大防止のため、今は当たり前のように活用されているWEBでの会議は、2020年以前よりツールとして活用できたにも関わらずこれまでの常識にとらわれ、活用を見送られることが多かったのではないでしょうか。しかし、WEBでの可能性を見出したことによりICTは発展を遂げ、リモートワークにより家族との時間が増えるメリットや世界中どこにいても繋がることができる人々の生活を豊かにする新たな価値を与えることができたと言えます。青年会議所の宣言は2021年度に新たな宣言に変わり、宣言の中の一文に「希望をもたらす変革の起点として」とあります。これまでの観念を違った角度から見つめ、新たな価値を創造することが明るい豊かな社会の実現への可能性となり、勇気ある一歩の原動力となります。この可能性は、言わば希望をもたらすことになり我々青年会議所の使命と考えます。


【インパクトを与える運動発信】

~先駆者として~
公益社団法人草加青年会議所が55周年を迎えるにあたり、これまで地域社会に好影響を多数与えてきました。このことは、先輩諸兄姉が築きあげてきた公益社団法人草加青年会議所のブランド力であり、我々現役会員の最大の武器となります。我々は今、市民が必要とする事業の実施に向けて日々調査研究を重ねておりますが、市民が興味関心を抱く事業構築に重きを置きこれからの地域社会に向けて好影響を与えて行かなければならないと考えます。このことは、地域の課題を無視して好き勝手に展開していくのではなく、5年先10年先を想像し今の地域課題がこの先どのような変遷をするのかを迅速に判断した上で、先手を打つことです。何かを変えようとしてすぐに変えるのは難しいと思います。そのために、先輩諸兄姉が築き上げてきた行政関連の皆様や地域団体の皆様、市内企業の皆様との関係を充分に活用させていただき持続可能な事業の礎を構築していくことが重要です。これまでの固定観念を一新するインパクトを与えることが変革をもたらし、持続可能な社会へと発展を遂げ、先輩諸兄姉より紡がれ
た地域社会への好影響をこの先の未来へと託すことができると確信します。


【Jayceeとして】

~揺るぎない信念を胸に~
「できない」や「無理だ」と考えたときに人間の思考は停止するものだと考えます。時代の変化と共に地域課題も変遷する中で、苦心し諦めようとすることがあるかもしれません。初代理事長高野歴代が残した言葉に「時代の扉は厚く重い、しかし唯一、若者の持つ挫折を恐れず挑戦する勇気があれば扉は開かれ新しい未来・信じられる明日が見えてくるはずだ。」とあります。諦めず挑戦する意志を持つことが周囲を巻き込む影響力となり、自らの成長を大きく飛躍させてくれます。公益社団法人草加青年会議所に所属すること、まずこの時点で挑戦への第一歩が踏み出されたものと考えます。40歳までしかできない限られた時間の中で、自らが何を成し遂げたいのかを描くことが、自らの道筋を明確に次のステージへ進むための揺るぎない信念になります。青年会議所は人生最後の学び舎と例えられることがあるように、人生において多くのことを吸収できる貴重な青年世代での時間を投資します。事業や自己研鑽を通して費やした時間以上の成長を得られるように仲間と鼓舞し合い歩み続けましょう。


【結びに】

現状の青年会議所は、全国的に見ても入会年数の低下や会員数の減少が課題認識されております。我々、公益社団法人草加青年会議所も同様ですが、言い換えれば入会間もない会員の新たな価値観を取り入れることができ、青年会議所を知らない人が多く存在するという捉え方もできます。会員個々が視野を広く持ち、発想の転換を柔軟に取り入れることが魅力あるリーダーへ成長し、魅力ある人財が集うからこそ公益社団法人草加青年会議所が力強い一歩を踏出せます。勇気ある一歩を共に踏み出して行きましょう。